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2026.05.26

「この凸凹、型から抜けない…」スライド構造を理解して金型費用を抑える引き算の設計

図面を見た瞬間に成形屋がざわつく「アンダーカット」とは?

「製品の側面に、パーツをカチッとハメ合わせるための『突起(ツメ)』や、コードを通すための『横穴』を設計した。機能的には絶対に外せない形状だから、これで進めたい」
製品の使い勝手を良くするために、側面にフックをつけたり、ボタンを配置したり、横方向の穴をあけたりする形状はよく登場します。しかし、この「横方向の凸凹」は、金型屋にとって最大の難所の一つである「アンダーカット(型が上下に開くだけでは抜けない形状)」になります。
「アンダーカットがある図面は、金型代が一気に高くなる」と聞いたことがある担当者様もいるかもしれません。今回は、なぜ高くなるのかという仕組みと、デザインの機能を保ったまま「金型代を劇的に安く抑える設計の知恵」を明かします。

横からパーツを割り込ませる「スライド構造」の見えないコスト

金型は基本、本を開くように「上と下(あるいは前と後)」の2方向にしか開きません。
製品の側面に横向きの突起や穴があると、そのまま上へ引き抜こうとしたときに、その凸凹が金型の金属に引っかかってしまい、製品がバリバリに割れてしまいます。
これを防ぐためには、金型が上下に開く前に、「横方向の凸凹を形成している金型の一部(ブロック)を、横にシュッとあらかじめ退避させる仕組み(スライド構造・ルーズコア)」を金型内に仕込まなければなりません。このスライド構造が1箇所増えるたびに、金型の部品点数が増え、加工が複雑になり、金型見積もりの金額が数十万円単位で跳ね上がっていくのです。

弊社が提案する、スライドを消し去る「形状の引き算」

弊社では、「アンダーカットがあるから高い金型になります」と突っぱねるのではなく、「この横穴、ほんの少し形状を変えるだけで、スライド(追加費用)をゼロにできますよ」という引き算の提案(検図)を徹底しています。
1. 「縦の割り面」を利用したスライドレス設計: 例えば、側面に四角い横穴を開けたい場合、製品の底面側から金型の突起を突き抜けさせる構造(縦のパーティングラインの工夫)にすることで、上下に開くだけで横穴が空くマジックのような設計変更を提案します。
2. スライドの方向を揃える集約の知恵: どうしてもアンダーカットが消せない場合でも、バラバラの方向に配置するのではなく、1つの方向に集約することで、1基のスライド構造でまとめて形成できるように金型レイアウトを工夫し、お客様の費用負担を最小限に抑えます。

賢い図面は、金型の複雑さを「引き算」する

アンダーカットは、製品の付加価値を高める大切な要素です。だからこそ、それを「ただ高いスライド構造を作って解決する」のではなく、「形状をほんの少し見直して、シンプルな金型で安く抜けないか」と泥臭く考える成形パートナーが隣にいるかどうかが重要になります。
「デザイン上、どうしても横向きの凸凹が必要だけど予算が足りない」とお悩みの設計者様。図面が確定して手遅れになる前に、一度弊社の現場へ「これ、スライド使わずに安く抜く工夫できない?」と知恵を借りに来てください。

【アンダーカット対策・金型構造の簡略化に関するご相談はこちらから】

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